当番世話人挨拶

平能 康充

埼玉医科大学国際医療センター 下部消化管外科

「この度、第13回 Reduced Port Surgery Forum in KAWAGOE を、2026年8月21日(金)・22日(土)の2日間、埼玉県川越市において開催させていただくこととなりました。単孔式内視鏡手術研究会ならびに Needlescopic Surgery Meeting の諸先生方、歴代当番世話人の先生方、関係各位に心より御礼申し上げます。

 本会のテーマは「傷は小さく、安心は大きく、治癒は確実に」です。創を小さく・少なくすることは、単なる“見た目”の問題にとどまらず、術後疼痛の軽減、早期回復、身体イメージ、さらにはその後の“生き方”にまで影響する重要な要素と考えています。私は腹腔鏡手術黎明期より整容性と低侵襲性に強い関心を抱き、単孔式腹腔鏡手術(SILS)に取り組んできましたが、常に羅針盤としてきたのは「患者さんの満足」であり、治すだけで終わらせず、その先の人生を支える外科でありたいという思いです。

 こうした歩みの中で育ててきたのが、私が大切にしている Single-Port Philosophy と Solo Surgery の概念です。創を一つに集約しつつ、安全性と根治性を損なわない手術をいかに再現性高く提供できるか――その追究の延長線上に、現在の Reduced Port Surgery と各種ロボット支援手術があります。多関節鉗子を備えたプラットフォームやシングルポートロボットなど、多様なロボットシステムの進化によって、これまで腹腔鏡で模索してきたコンセプトが、より多くの術者にとって“現実的な選択肢”となりつつあります。本フォーラムでは、単孔式・Needlescopic 手術に加え、各種ロボット支援・ハイブリッドアプローチを含めて、「ロボット時代の Reduced Port Surgery のかたち」を熱く議論したいと考えています。

 外科系各領域や消化器内視鏡、工学・デバイス開発など、多彩な分野の先生方にご参加いただき、「傷は小さく、安心は大きく、根治は確実に」をどのように日常臨床の中で具現化しているのかを、領域や世代を超えて共有できれば幸いです。開催地である川越市は、「小江戸」として知られる街です。情緒ある城下町での散策とともに、熱い川越の夏、そして熱い RPSF の二日間を体感していただければと思います。多数の先生方のご参加と活発なご討議を心よりお待ち申し上げます。」

合川 公康

埼玉医科大学国際医療センター 肝胆膵外科

このたび第13回 Reduced Port Surgery Forum(RPSF)の当番世話人を拝命いたしました。長い歴史を有する両研究会の節目となる初めての合同開催を担当させていただくことは、大変光栄であり、歴代当番世話人の先生方をはじめ、関係各位に心より御礼申し上げます。

 Needlescopic Surgery Meeting(NSM)、RPSFはいずれも「究極の低侵襲外科」を探求する理念を共有してまいりました。しかし、私自身の専門である肝胆膵外科領域、特に悪性疾患における低侵襲化は、かつては懐疑的な見方が少なくありませんでした。15年ほど前、私が単孔式腹腔鏡下肝切除の症例を学会で報告した際には、「そこまでして単孔で行う意義があるのか」とご指摘を受けたこともあります。当時は腹腔鏡下肝切除自体がまだ普及途上であり、やむを得ない状況でもありました。しかし現在、ロボット外科の発展、さらには単孔式ロボット手術の普及を見るにつけ、当時の挑戦が少し報われたように感じております。肝胆膵外科においても腹腔鏡からロボットへと技術革新が加速し、より安全で確実な低侵襲治療を目指す時代が到来しました。こうした流れの中で本会の当番世話人を務めることに、深いご縁と責務を感じております。
 本会のテーマは「傷は小さく、安心は大きく、治癒は確実に」といたしました。低侵襲性の追求だけに偏るのではなく、安全性、根治性を含めた総合的評価を重視しようというメッセージを込めております。腹腔鏡・ロボット手術が広く普及した現在だからこそ、その治療成績を冷静に見つめ、改善点を議論する場としたいと考えております。加えて、ちょっとした工夫やコツ、日常診療で役立つアイデアなども、ぜひ積極的にご共有いただければ幸いです。さらに、本会の特徴の一つである“臓器横断的な手技の工夫”も、外科全体の発展に大きく寄与するものと期待しております。

 最後に、開催地は近年ますます人気を集める小江戸・川越でございます。多くの先生方にご参集いただき、活発な議論に加えて、夏の川越の風情もお楽しみいただければ幸甚に存じます。